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私はなぜ株式会社ティーオーを設立したのか

こんにちは! ティーオーのブログ担当、富田です。

今日もブログを読んでくださり、ありがとうございます。

本日は、弊社代表取締役の李 文平より、ティーオーの設立にいたった経緯とこれまでの道のりについての文章を共有させていただきます。

日本語の下に中国語でも掲載しておりますので、読みやすい方でお読みください。

 

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私はなぜ株式会社ティーオーを設立したのか

代表取締役 李 文平

 

私が北海道大学大学院の指導教授に東京に出て起業したいと話したのは、2012年のことでした。教授はご高齢で大変英知に富んだ方でいらっしゃいましたが、賛成とも反対とも言わず、農学部の事務員を呼んで会議を2回開きました。1回目は私の決心を確かめた上で、大学院の留学生の中で退学して起業した先例がないためわからないことが多く、次の案内をするには時間がかかると言われました。2回目は必要な手続きをするためでしたが、その時、私の単位は5年ほど取って置けるので、5年以内に論文を提出すれば学位を取得できると伝えられました。その3年後、学会のために東京に来られた教授も、6年経った今年、北海道を再訪し、研究室を訪ねた時にお会いした教授もほとんど変わっていないように見えましたが、研究室の後輩たちは皆、「この人はいったい誰なのだろう」といった表情を浮かべていました。

話は戻り、2012年4月2日、東京へ飛んだ私は、4月4日、浅草4丁目の90㎡のオフィスを借り、4月5日、ティーオーが成立しました。これについては、当時まだご健在であられた浅草の育英不動産の高羽社長が、外国人留学生の起業家の苦境を深く理解してくださったことにお礼を申し上げなくてはなりません。オフィスを借りる時に通常必要となる高額な敷金・礼金を免除してくださっただけでなく、当時の家主の方にも事情を説明してくださったおかげで、家主の方の同意をその場で得ることができたのでした。また、持っている物はUSBとノートパソコンひとつといった私のために、何度も印刷と修正を繰り返して認証の手続きをし、会社を成立させてくださった、公証役場の公証人の方にもお礼を申し上げます。

大学院卒業を待たず私が起業に踏み切ったのは、ある事件がきっかけでした。2012年の旧正月(中国の新年)を私は北海道で過ごしたのですが、その大晦日の日、私の借りたレンタカーは日高山脈で車が全損する交通事故を起こしたのです。零下18度という気温の中、車がスリップし、何回転もしたのですが、幸い自分自身は何ともありませんでした。しかし、ちょうどこの日が大晦日だったこともあり、「もし自分に何かあったとしたら、家族はどんな思いでこの正月を過ごしたことだろうか」という考えが頭をよぎり、ことさら反省の念は深くなりました。また、「あの日、自分が命を失っていたとしたら、後悔はあっただろうか」と自分に問いかけた時、「もちろんある。今すぐ自分のしたいことを実行に移さなければ。一日も無駄にしてはいられない」と思うに至ったのです。

北海道大学に在籍していた頃、最も考えていたことは、自分はこの一生をどのように過ごすのか、ということでした。人は自分の一生をどのように過ごすべきなのか。これは思わず涙が出るほど悲しいテーマと言えるでしょう。現実の全ての物には限りがあり、この世界に生まれてくるチャンスは一度きりであるうえ、その一度の時間も限られているのですから。2018年10月5日0時12分現在、一人で静かなギターの音を聞きながら上の文を書いた時、涙が溢れ、いくつかの言葉が脳裏をよぎりました。家族への愛、人生、子供、母。人はどのように自分の一生を過ごせばよいのでしょうか。『自己が幸福であるとともに、他の人も幸福にすること。自己の価値を高め、他の人に価値や幸福を与えられること』 様々な答えがあるにしても、全ては上の一つに回帰してくるのだと思います。これは、一生の間で得る知識や経験の広さとはあまり関係がありません。仕事もこの目的を実行する手段の一つであり、金銭や物は結局のところ表面的なものに過ぎません。人々に価値を提供し、世界と人々を愛し、愛を広めることこそが、私たちの生活の真の意義なのです。かつて、北海道大学農学部の大講堂で共通選択科目の授業に出ていた時のことですが、その日の午前中、功利主義について話が及び、「最大多数の最大幸福のために」という言葉が出てきました。「ああ、この言葉に出会うために私は北海道までやって来たのだ」と思いました。ですから、会社を立ち上げた時、ブランド名を『ai + more happiness for more(愛+最大多数の最大幸福)= aimoha』と名付けたのです。現在の事業、そして自分の人生の目的の象徴として。

一生をどのように過ごすのか定まった後は、具体的に何をするのかは難しいことではありませんでした。いくつかの判断基準さえ加えれば、誰もが自分が楽しめ、幸福を伴う事を見つけ出せるものです。まず、自分の興味関心を考えれば、小さな頃から非常ないたずらっ子だった私は、トラックや海、飛行機、機械、工場、コンテナなどが大好きでしたから、流通業界を選ぶことになったのは自然な成り行きでした。さらに、起業するとなれば、ビジネスの基本法則である『利益=売上×粗利率-費用=客単価×購入人数×粗利率-費用』を当てはめ、事業の市場規模や収益性もすぐに分析できました。ここでせっかくですから、最近深く身にしみている3つの言葉、『誤ったことをするのをやめる。正しいことを実行する。正しいことを正しい方法で実行する』を紹介しておきます。

起業した初めの2年間は、会社の成長こそ比較的速かったものの、実は大変苦労したものでした。最初の2年間、私は1日も休んだことがなく、毎日朝5時に起き、夜10時に寝るといった生活を送っていました。また、売上が完全にゼロになってしまい、一からやり直しになったり、重要なメンバーが離職したりするなど、様々な回り道もありました。今では多くの人がついに軌道に乗って来たと考えているかもしれません。しかし、同僚のみんなが仕事を分担してくれて週末を持てるようになったことを除けば、依然として目標を目指して登り続け、常に喘いでいる状態なのです。『HARD THINGS 〜答えがない難問と困難にきみはどう立ち向かうか』(原題:The Hard Thing About Hard Things: Building a Business When There Are No Easy Answers)という本がありますが、私の7年間の起業経験をまとめれば、まさにその通り、といったところでしょう。しかし、自分がなぜこの道を歩み始め、どこに向かっているのかがわかっていますから、迷ったり、諦めて立ち止まったりすることはありませんでした。さらに重要なことには、そのおかげで道中の困難も小さな回り道となり、当時の私自身も困難にぶつかっているとは思わなかったのでした。

この文章を書き終えるにあたって、心は感謝と愛の気持ちで一杯です。中国にいる父母、優秀な同僚たち、ティーオーを支持してくださるお客様とサプライヤー様への感謝の気持ち、そして家族と妻、毎日私を癒してくれる2歳8ヶ月の息子への愛をここに記し、結びといたします。

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我为什么要创业成立现在的公司TO.CO.,LTD

CEO 李 文平

 

2012年我给在北海道大学大学院的指导教授讲我要去东京开公司了。老师是一位很睿智的老教授,他没有反对也没有赞成,而是找来了农学院的事务员开了两次会。第一次是确认我的决心,告诉我在学院因为没有留学生中退去创业先例所以学院要搜集很多信息然后才能给我下一步的案内。第二次是办手续的时候给我讲了我的学分可以保留五年左右,如果这五年内能够提出论文就能拿到学位证。但是从那次离开后也是在三年后在东京见了我来开学会的教授,和在今年时隔六年回到北海道再次去研究室坐了一下,基本都没有变化但是那里的后辈全都表现出不认识这是谁的表情。

然后在2012年4月2日飞到东京,4月4日签下在浅草4丁目的90平方的办公室,4月5日公司成立了。这里要感谢在浅草的育英不动产的当时健在的高羽社长,能深深地理解一个外国来的留学生创业者的境况。没有收正常租办公室会有的很高的敷金礼金之类,同时帮我给当时的房东说了情,房东当时就同意租给了我。也感谢在公证处在我只有一个Usb和一台笔记本电脑的状况下公证处的公证员帮忙多次打印修正做了公证成立了公司。

促使我决定在毕业前就来创业的有一个事件。2012年中国新年我在北海道过的,在那个大年三十我租的车在日高山发生了车全损的交通事故,零下18度的气温下路滑车翻了几个滚幸好自己没有任何问题。因为这天是中国的新年除夕当时就想要是我这天发生了什么意外我的家人怎么过这个节日,加重了我的反思。同时反问自己要是生命就在这天结束了会有遗憾吗?会,当然会,必须马上去做自己想做的事情,一天都不能耽搁了。

在北海道大学上学期间自己思考最多的是:如何过我这一生。人应该如何过自己的一生—-这是一个让人感觉悲情容易泛出泪花的话题,因为真实地一切都是有限的,来到这个世界的机会只有一次,并且这仅有的一次是有时限的。现在是2018年10月5日0点12分,一个人在这里听着轻吉他写下了上面的语句,流泪了,出现了几个词汇在自己的大脑的闪存上:亲情,人生,孩子,妈妈。人应该如何过自己的一生:要幸福,要让他人也幸福。要努力地有价值,给他人带去价值,幸福。所有所有的答案终极应该都会回到这里,和一生的宽度广度弱相关,工作事业都是这个目的的实践方式之一,金钱物质那些终究都很表象,给人带去价值爱世界爱人传播爱这才是生活的真谛。在曾经北海道大学的农学院大讲堂里面上了一堂公共选修课,在那个上午谈及了功利主义哲学,里面有一句‘为了最大多数的最大幸福。’哦,我来北海道原来是来找这句话的。后来公司成立的时候的品牌名 爱+为了最大多数的最大幸福 ai + more happiness for more = aimoha 成了我们产品的品牌。现在的事业同样也是自己人生目的的载体。

想明白了一生怎么过了,具体做什么也就不困难了。再加上几个评判标准基本上每个人都能找到愉悦自己的伴着幸福的那件事情了。兴趣,作为从小就非常调皮的男孩子,喜欢大货车,大海,飞机,喜欢机械化的东西,工厂,集装箱这些,那么选择流通行业也就有很大的注定的部分了。如果要创业的话加上商业的基本逻辑 利润=销量*毛利率—费用=客单价*购买人数*毛利率—费用这些的话事业的市场大小,盈利的可能性也就能分析出来了。顺便讲一下最近我体会很深的三句话:停止做不正确的事情,做正确的事情,正确地做正确的事情。

刚创业的前两年成长比较快,但是其实做得很辛苦,最初的两年我没有休息过一天,基本每天都是早五晚十的作息规律。并且在这这些年还有过很多插曲,公司销量完全归零重头开始,
重要员工离职等等。可能很多人会想:终于慢慢上路了。除了能够有同事们分担有周末以外一切还是一个不断在攀登不断喘气的状态。有本书叫<创业维艰>英文名:The Hard Thing About Hard Things: Building a Business When There Are No Easy Answers。我结合自己七年的创业的经验我告诉我的体会,真是这样的,哈哈哈。但是既然知道自己为何出发要走向哪里,也就没有犹豫不会放弃停止了。更重要的是这让路上的困难都变成了小插曲,当事的自己也就不会认为这是困难了。

写到这里,心里满满都是感谢,是爱。感谢我在中国的爸爸妈妈,感谢我优秀的同事们,感谢支持我们的客户和供应商。爱我的家庭,妻子和天天治愈我的现在两岁八月的宝宝。

SCMの基盤はパートナーシップ

最近弊社のSMART SUPPLY-CHAINプロジェクトは既存取引先を始め、他の意識が揃えるお客様と手を組んで、製販連動、余剰在庫ゼロの目標を実現

するために推進しています。最近読んでた記事をシェアーさせていただきます。弊社のお客様とwin-win、強強、将来性ある取引関係を構築していきます。

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傅盛(Fu Sheng)の三つの認識論

ビジネスはどこまで成長して行けるか、創業者の初心と認知によって大きく変わってくると思います。本日は認識論に関する文章をシェアーさせていただきます。

 

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傅盛(Fu Sheng)の三つの認識論

 

編集者より:この文章はWeChat公式アカウント「盛盛GO」より、株式会社ティーオーが許可を得て訳していました。著者は傅盛です。

 

一:「成長」とは認識レベルの向上である

 

企業をより速く発展させる方法は何か。大勢の競争相手から頭角を現す方法は何か。私はずっとこれらの問題の答えを模索していた。

 

1、人の認識の4つの状態

最近見つけたある図に、パーセンテージを付け加えたのが以下である。

知っていることを知らない  ←←←←←←←←←←←←  95%

↓ ↓ ↓

知っていることを知っている   ←←←←←←←←←←←←  4%

↓ ↓ ↓

知らないことを知っている  ←←←←←←←←←←←←   0.9%

↓ ↓ ↓

知らないことを知らない   ←←←←←←←←←←←←   0.1%

「知らないことを知らない」、「知らないことを知っている」、「知っていることを知っている」、「知っていることを知らない」――これは人の認識の4つの状態であり、人の4つの境界ともいえる。簡単に各状態を説明すると下記の通りである。

 

・知らないことを知らない――自分は何でも知っていると思い込んでいる、独りよがりの状態。

・知らないことを知っている――謙虚な態度で虚心に学び、自己の認識を豊かにする準備ができている。

・知っていることを知っている――物事の法則を悟り、認識レベルが高まっている。

・知っていることを知らない――常に虚心を保っている、認識の最高レベル。

 

遅ればせながらやっと気づいたのだが、人と人の根本的違いはこの4つの状態にあるのだ。さらに恐ろしいことに、95%、ひいてはさらに多くの人が第一の状態にある。これこそが平々凡々で 為すところのない人が大多数である理由でもある。見て見ぬふりをしていても、認識レベルを向上する可能性を失うだけである。自己を否定し、虚心で居続けてこそ、人は真に「成長」し、限界を超えることができるのだ。

 

今日、世界は曲がり角にさしかかっている。各業界に対する認識が高速で重なり合い、業界を超えた動きがますます一般的になっている。「自己否定」の認識状態を維持していなければ、高速で変化する業界に対する認識を得ることは難しい。

 

2、人と人の最大の差異は認識にある

 

認識は人と人の間のほぼ唯一の本質的差異である。技能の差異は数値に置き換えられるものであり、技能をどれだけ積み重ねても、熟練度が増すに過ぎない。一方、認識の差異は本質的であり、数値に置き換えられないものである。

 

以前、香港でジャック・マーとお茶をする機会があったのだが、彼はほとんど電子メールを使っていないようだった。彼はどうしてあの帝国のように大きな会社を率いることができるのだろう、と当時は不思議に思ったものだったが、彼は業界の変化を常に観察し、変化の中から鍵となる糸口を見つけ出してリソースと人材を割り当てていたのだ。

 

人と人の勝負は物事への理解と業界に対する洞察によって決まる。行動も重要ではあるが、行動の本質は認識の実践である。

 

また、過去に学ぶという観点から言えば、アヘン戦争で、大清帝国はなぜあれほどまで悲惨な負け方をしたのだろうか?簡単に言えば、現代的物理学の認識をもった人々が、四書五経を信奉する人々を打ち負かしたということなのであり、二つの異なる認識間の戦いだったのである。

 

3、認識レベルの向上における二つの誤り

 

真の認識は行動を通して表されなければならず、ひとたび行動が欠如すると、認識は簡単に誤りに陥ってしまう。以下に二つの陥りやすい誤りをまとめた。なお、これが全てとは限らないので、あくまでたたき台と考えて欲しい。

 

(1)知っていると思い込んでいることは、知らないと思っていることに遠く及ばない。

独りよがりは自己認識レベルの向上の大敵である。思い返せば、検索エンジンで奇虎360はバイドゥ(百度)に勝ったことがなかった。周鴻禕[1]はかつて、よく考えもせず会社を売却してしまったのが敗因だと語ったが、そもそも李彦宏[2]の当時の検索エンジンに対する認識は周鴻禕よりずっと高かったのだ。周鴻禕は苦しい消耗戦を敬遠し、研究開発に多額の投資をする気もなく、アルゴリズムを信じていなかった。あの時の売却は、本当はもう戦い続けられなかったからなのだ。しかし、周鴻禕はそれに気づいていない。

 

自己否定、すなわち自分は何も知らないと仮定することが、自己認識レベル向上の唯一の道である。苦痛が伴う自己否定を行わなければ、認識は次のレベルに上がることができない。仮に正確な情報が目の前にあっても、見て見ぬふりをしてしまうのだ。これが英雄と凡人を分ける唯一の違いである。

 

(2)重要だと思っていることと重要さを真に理解していることは往々にして同じではない。

「つもり」止まり、すなわち重要だと思っているつもりだが、実際の行動に移していないことである。

 

この点における私の最大の後悔は、Toutiao(今日頭条)[3]への理解にある。二年以上前、私はすでにToutiaoがモバイル時代の「検索」になると発言していた。当時からその重要性をわかっていたつもりだったが、実際に人材を投入し、海外ニュースアグリゲーションのビジネスに着手したのは2015年も終わりになってからであった。

 

これは人の認識によく見られる誤りである。重要だと思っていることと重要さを真に理解していることは往々にして同じではないのだ。

 

行動の伴わない認識はまがい物に過ぎない。「自分は知っている」ということを見せびらかすことに何の意味があるだろうか。肝心な時に役に立たない認識は無いのと同じである。行動が伴ってこそ、真の認識があると言えるのだ。

 

4、認識レベル向上のための三つの秘訣

 

行動を起こすというのは難しいもので、認識と行動の間には大きな隔たりがある。そこで、認識レベル向上のための三つの秘訣を紹介する。

 

(1)全体的趨勢に従え

新しいアイデアはすぐさま行動に移さなければならない。全体的趨勢を信じ、それを生み出す企業の認識と決定を信じるのだ。軽々しく批判したりせず、その業界のリーダーたちを常に信じるべきである。彼らは情報収集においても、その処理能力においても、あなたより優れており、彼らの持っている認識は今のあなたが太刀打ちできるものではないからである。理解できなければ、まず行動し、行動の過程で理解すればよいのだ。

 

まずは全体的趨勢を信じて行動し、行動の中で認識を形成する。失敗を恐れてはならない。失敗が成功につながるのだ。昨年、私がロボットへの投資を決めた時、成功すると考えた人はほとんどいなかった。しかし、あれはまさに全体的趨勢に従い、行動に移した結果だったのだ。あの状況においては、行動しなければチャンスは得られず、時間を無為に消費するだけであった。

 

行動しないことが最もいけない。行動してこそ誤りも証明できる。畳水練では意味がない。

 

(2)井の中の蛙になるな、他人に教えを請え

進んで他人に教えを請う姿勢が非常に大切である。視野が広がるからである。その道に詳しい案内人を見つけることが欠かせない。やはり経験はものを言うのだから。彼らがあなたより勝っているのは頭の良さではなく、あなたにはない認識を持っているからである。

 

私と徐鳴が画像加工サービス「可牛影像」を始めた頃、「俺らの時代だ」が口癖だった。俺らの高い技術とサービスに勝てるものなら勝ってみろ。この業界の王者になるのは当然俺らだと。ところが、「美図秀秀」に完膚なきまでにやられてしまった。

 

自分が世界の中心だと思い込み、外に目を向けない。これは私たちが非常に陥りやすい状況の一つである。新しい物事に対し、多くの人は試してみようともしなければ、もっと知りたいという意欲すらない。外の世界で何が起こっているのか全く知らないのである。

 

一つ強調しておきたいのは、認識による理解と頭の良さは無関係だということだ。認識という観点からこの世界、そしてその業界の理解を試みてこそ、より多くの様々な認識を得ることができ、他の人が見つけられない、または理解しようとしないチャンスを見つけることができるのである。

 

行き詰っているチームほど、外に目を向けるようになるものである。

 

(3)未来に目を向け、今日行動せよ

今日行動を起こすには、怖れを感じた時、間違ったからといって何が起こるのか、間違ってこそ正しくするチャンスが生まれるのだ、と考えなさい。これは私自身も心掛けている思考方法である。物事に向かい合う際、最も悪い結果を想像してみるといい。すると、心の中にある恐れ自体に比べれば、最も悪い結果など実は何でもないことに気づくだろう。

 

恐れの本質は恐れ自体にある。挑戦を好まない真の原因はいわゆる失敗が怖いからである。しかし、この失敗がもたらす結果とは何なのか、きちんと考えたことのある人は少ないはずだ。実際のところ、ほとんどの失敗はたいして悪い結果を伴ったりしないのだ。

 

さらに、迷った時は5年後どんな風になっているのか、自分はこの業界で生き残っているだろうか、と考えなさい。これが未来に目を向けるということである。もし5年後、あなたが時代に全く取り残されていたとしたら、それが最も恐れるべきことなのである。業界は想像もできないほどのスピードで動いているのだから。

 

5、認識レベルの向上こそが「成長」である

 

「成長」は権力や財力によって得られるものでもなければ、何か特定の技能によって得られるものでもない。

 

これを証明する例は実はたくさんある。例えば史玉柱である。どん底の時には膨大な借金を抱え、全てを失ったのに、「脳白金」[4]事業を大成功させて再起を果たした。なぜなら、彼のマーケティングにおける認識レベルは一時代先を行っていたからだ。全ての富、そしてチームを失っても、マーケティングへの理解というこの一点だけで、あの時代に彼に対抗できる人はいなかった。彼自身が生きている限り、いつでも再起可能だったのである。

 

窮地に陥った時、彼が持っていた真に価値のある武器は、金銭などの資源ではなく、高度な認識だったのだ。

 

次に、テンセント(騰訊)の近年の発展を考えてみよう。3Q大戦[5]以前、テンセントは「花びら戦略」をとっていた。花びらのように各方面に事業を広げ、その全てでトップになるという戦略である。したがって、テンセントは各領域で最も優れた認識を持つ相手と戦うことになり、苦戦に追い込まれていた。3Q大戦後、テンセントは「エコシステム」戦略に転換した。真っ先に投資したのがCheetah Mobile(チーターモバイル)[6]で、続いて他の企業にも投資を広げた。

 

その結果、テンセントの時価総額は3百億ドルから今日の2千億ドル以上[7]にまで拡大したのである。雑誌『フォーブス』が以前発表した「40歳以下の中国人富豪起業家40人」によると、一位は劉強東[8]、続いて王小川[9]、私、姚勁波の順であったが、馬化騰[10]が当時こんなことを言った。「上位5人の中に、一緒にお仕事させていただいている方が4人もいて光栄だ。」

 

これは何を意味するのだろうか。実は、馬化騰は投資を通して「エコシステム」を形成することにより、各業界に対する十分な認識を得たのである。というのは、それらの会社に投資してからは、一商品の担当者と付きあうのではなく、劉強東とeコマースについて、王小川と検索エンジンについて、Cheetah Mobileとグローバル化について話し合うようになったからである。

 

したがって、テンセントが他者との共生を目指す「エコシステム」戦略によって得た本質的な成果は、投資が生み出したお金ではなく、投資を通して手にした認識であった。各社と友好関係を築いていれば、旅客輸送市場の規模や発展方向・目標、また、グローバル化におけるチャンスなどの認識が手に入らないわけがあろうか。そして、各業界に対する認識こそが重要なのである。

 

360の創建・発展から私が得たものは何だったのだろうか。それはすなわちその業界一の認識だったのであり、インターネットセキュリティサービスやアプリケーションソフトウェア、インターネットについて、業界の変革を可能とする認識だったのである。

 

360を辞めた時、退職金はたったの1元だったが、友達はこう言って慰めてくれたものだ。「大丈夫。自分で積み上げてきた認識は誰にも奪えるものではないのだから、また全てを取り戻す日が来るよ」と。こうして、私は認識という小舟に乗り、起業という大海に乗り出したのだ。

 

しかし、その認識があったからこそ、私はあれだけの確信をもって「Clean Master」[11]の開発を始められたのである。誰もアプリのグローバル展開の仕方なんて知らず、知らない用語もたくさんあったし、ビジネスの経験もなかった。いわゆるグローバル化やアメリカ市場への知識を全く持っていなかった状況の中、「Clean Master」に全てを賭ける決断を私にさせたのが認識だった。

 

なぜなら、360という一つの企業が業界全体の様相を一変させたということは正真正銘の事実であったし、しかも自分自身がその当事者であったからである。

 

「成長」は認識が生み出すものである。

 

あの時代を思い返す時、いつも脳裏に浮かぶある故事がある。三国志演義の有名な「酒を煮て英雄を論ず」の場面である。劉備と酒を酌み交わしていた曹操がこう尋ねる。「天下の英雄とは誰か教えて下され。」 劉備はひたすらにへりくだりながら様々な人物を挙げ、曹操はそれらを次々と批評していく。しかし、曹操のこの一言に劉備は持っていた箸を落としてしまうほど驚いてしまう。「天下の英雄と呼べるのは、貴公と私のみですぞ。」 天下には強大な軍事力を擁する人物が他に沢山いたにもかかわらず、曹操が真に恐れていたのはただ農業に勤しんでいただけの劉備だったのだ。その頃、劉備は曹操の下に居候していたが、内には漢の再興を可能とするほどの認識を秘めていたのを見抜いていたのだろう。

 

その後の歴史の発展にも上述した認識論が当てはまる。あれほど複雑な天下の大勢も、端的にいえば、キーパーソンのキーとなる認識が決定するのだ。

 

認識の本質は決断に現れる。認識の違いが全く異なる決断を導くからだ。そして、その決断があなたと他の人の間の最大の違いとなる。資源や兵力などは重要ではない。頭の中にある大きな構想と高度な認識こそが肝要なのだ。

 

全体的趨勢の助けもあったのかもしれないが、Cheetah Mobile(チーターモバイル)が今、ある程度の成果を上げられているのも、本質的にはモバイルインターネット市場が生み出す利益が大きく増加している状況において、鍵となるとまでは言えないまでも非常に正しい決断ができたおかげであった。その時、私たちは前例のない領域に足を踏み出したのである。但し、その時の認識だけでは私たちは傑出した比類ない企業へと変貌を遂げることはできなかったであろう。私たちはさらなる認識レベルの向上が必要だったのであり、Cheetah Mobile、そして私自身がこの一年で得た最も価値あるものがまさにそれだったのだ。

 

「傑出した人物が一人いても、傑出した企業を作り上げることはできない。大勢の傑出した人物がいてやっと、傑出した企業が生まれるのだ。」この言葉の意味を考えるに、「傑出」とは一企業の人が皆認識レベルを向上させることで実現されるのだ。さもなければ、真に新たなステージへの道を切り開くことはできないのだから。

 

ひたすら無限ループに陥ってしまい、物事が前に進まない。そんな状況は認識の不一致から起こるのだ。物事が前に進まない本質的原因は皆がその事項の重要性についての認識を確立していないことにある。気づけない、やりたくないということ自体は問題ではない。最も恐れるべきなのは、「自分が知らないということ」を知らないことである。

 

常に学習し続けたい、理解したいと思い、過去を顧みる。虚心を保ち、恐れを捨て去り、変化を拒まない。認識レベルの向上も一歩踏み出せば簡単なことであり、「成長」もまた然りである。

 

 

二:マネジメントの本質とは認識のマネジメントである

 

かつて、マネジメントの三つのプロセス――「目標」・「ルート」・「リソース」―― について論じたことがあった。目標を設定し、ルートを検討し、リソースを投入するというプロセスである。

 

しかし、その実行には一つ大前提がある。「判断力を備えていること」である。判断力を備えていないがために、誤った目標を設定してしまうと、ルートは切り開けず、リソースも動かせない。そして、この判断力のコアとなるのが認識なのである。

 

今の時代、マネジメントはオペレーションの管理でもなければ、組織構造の管理でもない。それはすなわち、ある事について他人より深く理解しているということであり、マネジメントの本質とは一種の認識のマネジメントなのである。

 

良きリーダーとして重要なのは、俗に言うEQなどではない。大きな「フレームワーク」の下で業界全体についての認識体系を築き上げ、全体的趨勢を読み切った正確な判断と賢明な指示ができることなのだ。

 

この大きな認識の体系の下で、マネジメントはまた「情報・時間・人」の三つの側面に細分化できる。つまり、いかに「情報」を利用して正確な決定を下すか、いかに要点を押さえて「時間」を効率化するか、いかにシンプルな方法で「人」を管理するかということである。

 

以上の問題を解決する方法を、ここに「一体(いったい)両翼(りょうよく)」と「マネジメントの三側面」として整理した。

 

一体:リーダーの認識体系の構築

 

優秀なリーダーは、重要事項についてチーム全体を包み込むことができる認識体系を備えていることが欠かせない。一つのチーム、ひいてはさらに多くの人の認識よりも高度な認識を兼ね備えている、そんなリーダーこそ真の存在価値があるのだ。

 

テンセント(騰訊)の社長、劉熾平が言っていたのだが、インターネットの世界はまさに侠客伝のようだ。大勢の人が寄ってたかっても一人の達人にかなわない。大勢の人を集めるよりも、卓越した技術を持つ人を一人連れてくる方がよいのだ。それはつまり、そのような達人一人のその事項に対する認識体系が、大勢のチーム全体をも超越しているということなのである。

 

一年半ほど前、バイドゥ(百度)の人に会った時、私は「Toutiao(今日頭条)はモバイル時代の『検索』になる」という話をしたのだが、彼らは同意しなかった。「バイドゥにはToutiaoにはないインスタント検索機能があるからToutiaoなど相手にならない」と。しかし、昨年[12]5月になってやっと、バイドゥはフィード広告に参入した。これがToutiaoとバイドゥの商品認識における格差であった。

 

リーダーは重要事項について他の全ての人を包み込む強大な認識体系を持っていてこそ、リーダーと呼ばれるにふさわしく、正しい決定をすることができ、チーム全体を正しい道へ導くことができる。認識が誤っていると、毎日目が回るほど忙しく働いても、真に効果的なマネジメントはできない。「業績」や「期待」はマネジメントの手段に過ぎず、そのコアとして必ず上述のような認識体系が必要なのだ。

 

この認識体系においては、頭の中に認識の枠組みが完成されていてこそ、正確な判断ができる。わかりやすさ、差別化、異業種連携、全体的趨勢、流行のキーワードなど、抽象的な枠組みを頭の中に常時用意しておいて、目にした事象にすぐに当てはめられるようにするのだ。

 

では、どのようにしてこのような枠組みを作り上げればよいのか。第一に、市場と商品に対する深い理解が認識体系の基礎となる。商品を実際に使ってディテールを掴み、ユーザーと同じ立場で問題を考えてみる。第二に、市場で活躍している人のところへ実際に行って話を聞いてみる。他の人が何をしているのかを知ることは非常に重要である。第三に、報告だけを聞いて認識を作ることは絶対に避けるようにする。インターン生にちょっと調査をさせて、その報告だけを見て結論を出すようなリーダーもいるが、非常にまずい。それは本質的に、インターン生の認識がチーム全体の認識に取って代わっているのと同じだからである。

 

Snap Inc.のCEOが語っていたように、Snapchat(スナップチャット)はチャットツールなのではなく、アメリカの若者のコミュニケーション方式を変革しているのである。現在では社名から「chat」を外してしまい、単純な友達同士のコミュニティではなく、カメラを中心としたコミュニケーションを作り上げている。これがFacebook(フェイスブック)とは全く異なる点である。SnapがFacebookを苦しめている理由は、豊富な資金とか優秀な人材などではなく、ソーシャルネットワークに対する認識が異なっていることである。正しい認識を構築した人が頭角を現せる、今はそういう時代なのである。

 

両翼:認識マネジメントのための二つのポイント

 

次に、全体的認識体系を作り上げた後の個別具体的問題を解決する方法について考えてみよう。例えば「やることが多すぎて手が回らない」、「真面目にやっているのにいつも上司に叱られる」、「一生懸命やっても業績が上がらない」といったことである。その解決のためのポイントを二つ紹介する。

 

(1)「逆に考える」癖をつける。かける時間を半分にしたらもっと上手くできるのではないか考えてみる。

 

毎日とにかく忙しく、会議だらけで効率が悪い、そんな時代が私にもあった。まさかスティーブ・ジョブズはこれよりもっと忙しかったのか、などと考えたものだったが、そもそも私のマネジメント方法が誤っていたのだ。だから、今の仕事時間を半分にしたら、もっと上手くできるのではないか、と常に自分に問いかけるようにした。

 

そして、絶えず自分にそれを問いかけている過程で気づいたのだ ―― 忙しさの根源は自分にとって重要なことが多すぎることにあるのだと。

 

マネジメントの効率を上げる本質的な方法は、マネジメント自体の量を減らし、判断に重きを置くことである。すなわち、チームのために重要事項を決定し、目標を整理することに重きを置くのである。

 

肝心なのは思考の転換であり、判断能力を養うことである。決して勤勉に仕事をする能力ではない。それは単なる基礎に過ぎないからだ。半分の時間でもっと上手くできないか考えてみるといい。そのためには、常に物事に優先順位を付けなければならなくなる。

 

(2)戦略の「略」は省略の「略」。省略できないのは優先順位が付けられていないから。

 

ほとんどの人は戦略の重点は「戦」にあると思っているが、実際は「省略」にある。つまり、何を切り捨てることができるかということである。

 

省略できないのは、優先順位が付けられていないからだ。では、どうやって優先順位を付ければよいのか。その前提となるのが明晰な認識である。全体的趨勢という「フレームワーク」が頭に入っていなければならない。何がより重要なのか判断し、最重要事項には徹底的に対処する。一方、それ以外の事には妥協や譲歩ができるようにならなければならない。私たちの思考には盲点があることがある。その原因は、視野が十分でなく、過去を振り返る頻度が足りないからである。

 

人と人の最大の違いは思考の「フレームワーク」にある。中間管理職に甘んじる人と新事業を起こす人の違いは何なのか。前者は目の前の状況にとらわれ、一生懸命仕事をしていることに満足する。一方、後者は俯瞰的視点を併せ持ち、懸命に仕事をするだけでなく、過去を振り返り、判断を行い、認識を獲得することに時間を使う。しかも、個々の行動の目的は認識の獲得であり、一つ一つの行動が自分の認識を作り上げているのだということをはっきりと理解している。

 

マネジメントの三側面:情報、時間、人

 

マクロな観点では、リーダーは業界に対する認識体系を構築しなければならない。では、ミクロな観点では、実際のオペレーションにおいてどうすればより賢く仕事ができるのだろうか。どのように上述した最重要事項を見つければよいのだろうか。情報、時間、人の三側面からマネジメントの方法を分析する。

           情報
           人
          フレームワーク

まず、情報の側面から説明しよう。人はまさにCPUのようなもので、演算能力がどれだけ高くても、十分なデータがインプットされなければ、アウトプットは行われない。十分な量の情報インプットと十分な頻度の振り返りがあってこそ、十分な情報アウトプットが行われ、さらには、「フレームワーク」が出来上がり、正確な判断ができるのである。情報収集の目的は現状維持ではなく、更なる成長と新たな能力の獲得であり、正しい判断と賢い戦略を導き出せるようにすることである。

 

情報のインプットはどのように行えばよいのか。第一に、競合を詳細に分析することだ。時間をかけて情報収集を強化するべきだ。備えあれば患いなしというものである。第二に、業界内の人々と定期的に交流することだ。競合相手について理解していなければ、業界に対する認識を失ってしまう。第三に、業界内の人々を継続的に招聘することだ。彼らはただ仕事をしに来るのではなく、業界内の認識をもたらしに来てくれるのである。

 

リーダーとはそもそも正しい決定をするために存在するのである。十分な情報を得てさえいれば、正しい決定をすることができ、オペレーションは何倍も容易になり、矛盾も自ら解決する。中国のことわざに「無能な将軍は全軍を犠牲にする」というものがあるが、オペレーションが困難となる真の原因は正しい決定ができていないことなのである。

 

次に、時間の側面を説明しよう。マネジメント上最も重要なリソースはリーダーの時間である。時間配分を見れば、そのリーダーが現状の何を優先事項と考えているかがわかる。

 

ある事が非常に重要だと思っていたつもりでも、実際には十分な時間と人員、リソースを全く費やしていなかったということがよくあるのではなかろうか。いったい時間はどこへ行ったのか。

 

自分に問いかけてみて欲しい。時間配分はどうなっていたのか。「フレームワーク」構築のためにどれだけの時間を使ったのか。情報のインプットのためにどれだけの時間を使ったのか。キーパーソンのためにどれだけの時間を使ったのか。また、これらの問いかけをたまに思い出したようにしているだけなのか、すでに一種の習慣になっているのか。

 

当初、Cheetah Mobile(チーターモバイル)が頭角を現すことのできた最大の要因は、私たちが進んで様々な展示会に参加し、様々な人たちと交流して、モバイルアプリのグローバル市場に対する認識を構築したことにある。私もCEOという立場でありながら、自ら資料を担ぎ、演壇に立った。ホテルから会場までが遠く、地下鉄を三回も乗り換え、さらに徒歩十数分、といったこともしょっちゅうで、傍から見れば大変そうだったかもしれない。それでも、展示会があれば必ず人を連れて出かけて行ったものだ。それも、大勢の人を引き連れて。一見すると時間の無駄かもしれないが、実はそれによって認識を構築し、シンプルな切り口を見つけていたのだ。よって、会社全体の業務もシンプルにでき、それ以外の仕事において時間を節約できたのである。

 

時間こそが最も重要なリソースである。よくこのような質問をされることがある。「毎日、会社の管理と執筆活動、さらにドローンや『王者栄耀』[13]で遊ぶ暇もあるなんて、タイムマネジメントはどうしているのか。」 答えは簡単である。キーとなる会議、キーパーソン、キーポイントがいくつあるのかを毎日考えているのである。

 

さて、情報と時間の側面についてはこれぐらいにして、人の側面に進もう。ポイントはずばり、「一人をマネジメントすることで大勢をマネジメントできるようになる」ということである。

 

まず、一人をマネジメントして全てを解決すること。私たちは、沢山の人を抱えていて、この人もあの人も気に掛けなければならないという状況に陥りやすいものである。創業当初はフラットな組織でも良い。しかし、成長すればするほど、業務が複雑化すればするほど、重用できる人を見つけなければならない。どれほど重用するのかと言えば、その人ひとりのために、組織全体を改編してしまうほどである。

 

人のマネジメントをシンプルにするには、キーパーソンを見つけなければならない。キーパーソンのために十分な時間を使い、十分な認識を教授し、その人に大勢の人を動かす決定をさせるのだ。複数人が同列の立場にいて職責があやふやになることだけは避けなければならない。「みんなで担当」は「みんなが不満」につながる。ひとりの人に十分な権限を与え、職責を明確にし、マネジメントをシンプルにしていれば、仮に計画を達成できず、その人を交代させなければならない時も納得がいきやすいものである。

 

次に、目標をシンプルにすること。ひとりの人に多くの目標を与えてはならない。リーダーの最大の職責は、従業員のためにシンプルな目標を一つ設定することである。ここが、業界に対する奥深い認識体系を構築し、キーとなる目標を見つけ出してシンプルにし、さらにその目標についての正確で統一された認識を作り上げることができるかどうか、リーダーの力量が試されるところである。組織の目標がシンプルかつ明確であるほど、コンセンサスも形成しやすい。

 

最近、私はマネジメントをする時、「目標を設定すること」と「キーパーソンを探すこと」の二つに単純化して考えることにしている。目標は簡潔明瞭でなくてはならず、キーパーソンは責任感があり、常に予想を超える働きができる、問題解決能力に優れた人物でなければならない。

 

優れたリーダーは何よりも勝負に勝てなければならない。そのためには、戦う前から七割の勝算があることが必要だ。この七割の勝算を生み出すのが認識である。つまり、いわゆる勝負とは認識どうしの戦いなのだ。大勢の人が戦っているように見えても、本質的にはリーダーの頭の中にある「フレームワーク」どうしの戦いであり、戦う前から勝負はほぼ決まっているのである。

 

戦う前に勝つ。勝負は認識にあり、マネジメントもまた然りである。

 

 

三:戦略とは「フレームワーク」+「突破口」である

 

二年前、私は『CEOの戦略論』を執筆した。Cheetah Mobile(チーターモバイル)の上場以来、戦略について考えるのに使った時間は少なくないと言えるだろう。会社の成長に伴って様々な課題に直面し、私の思考もますます深まっている。

 

戦略の3ステップは「見通し」、「突破口」、「All in」だという話をしたことがある。「突破口」が非常に話題になったが、「見通し」は注目されなかった。しかし、「見通し」の背後にあるのが「フレームワーク」なのである。それはどういうことか説明しよう。

 

現在のモバイルインターネット業界では、すでにただ一つの切り口から爆発的に成長することは難しい。十年、二十年前のインターネットは言うなればだだっ広い荒野のようで、需要も少なければ人材もいなかった。だから、この業界に飛び込んで適当に一つ切り口を探して掘り下げれば、そして、人並みに粘り強く努力でき、運もひどく悪くなければ、それなりの企業にまで成長することができた。よって、あの頃は「見通し」はいらず、とにかくがむしゃらに突き進めばよかったのである。

 

その結果、みんな自分はすごいのだ、世の中なんて大したことないと勘違いしてしまった。努力に努力、また努力、残業に残業、また残業を積み重ね、狂ったようになりながら力ずくで相手をねじ伏せるのが戦いだと思い込んでいた。しかし、ある重要なこと ―― その時、インターネット業界そのものが正しい戦場であり、追い風の下にあるから、何をしてもうまくいくのであり、自分たちは幸運な愚か者に過ぎない ―― ということに気づいていなかったのである。

 

残念ながら、世の中は移り変わるものだ。二十年の発展を経た今日、インターネットはもはや既存産業の一つになった。気づけば、追い風が止み、膨大な数の起業家がひしめき合って消耗戦を繰り広げている。勤勉さは依然重要だが、頭も使わなければならない時代になったのだ。今こそ業界内の「風」はどこに向かって吹いているのかよく考え、「見通し」を立てなければならないのである。

 

したがって、業界に対するますます明確な認識の「フレームワーク」が頭にあることが必要だ。例えば、どこはもう過当競争で、どこはまだ注目されていない新領域なのか、地方都市ネットユーザーの特徴は何なのか、他のどの業界とどのような形式で連携が可能なのか、といったことである。

 

このような大きな「フレームワーク」の下、過去に積み上げた認識を利用しながら、新たな認識体系を構築する必要がある。そして、新たな戦略を制定し、新たな領域で新たな「突破口」とチャンスを探求しなければならないのだ。

 

1、戦略認識=「フレームワーク」思考

以前、「現象は全て法則の現れである」という話をしたことがある。よりわかりやすく言い換えれば、「偶然は存在せず、全てが必然である。全ての出来事は全体的趨勢の下の必然である。」

 

ある現象が発生した時、その背後には必ず全体的趨勢が存在している。それだけで独立した出来事というものはなく、実は全て全体的趨勢の下の必然なのだ。

 

かつて、私たちの目の前には肥沃な大地が広がっており、深く考えなくても成果を上げることができた。しかし、競争がますます激しさを増す今日、なぜある現象が急に活発化したのか、その背後にある法則は何なのか、どのようにその法則を利用すれば肥沃な新大地を見つけられるのか、考えることが非常に重要となっている。

 

アメリカ人が「think different」と口癖のように言うのを聞いて、以前は、これが理想のあり方なのだと感銘を受けたものだった。しかし、この言葉の本質は理想云々ではなく、競争のコストを下げることにあったのである。なぜなら、アメリカの起業家たちは私たちより早く消耗戦の段階に突入し、「勤勉+努力+捨て身の突撃」だけでは質的差別化が図れなくなったからだ。だから彼らは必然的に「より勤勉に考える」ことにより高コストの競争を避け、失敗の確率を下げようとするに至ったのである。

 

起業時は方法論を疎かにしてはならない。各種の異なる状況下の異なる方法を検討する必要がある。今日のインターネット業界における競争の「フレームワーク」は十年前とは全く異なる。「think different」が欠かせないわけだが、その前提として、業界に対する認識の「フレームワーク」がなくてはならず、全体的趨勢を読み切り、それを基に判断できなければならないのだ。

 

いわゆる戦略とは、上述のような認識の「フレームワーク」の下、「突破口」を見つけ、ルートを描き、リソースを投入することなのである。認識の構築が欠ければ、企業は容易に誤った道へ迷い込んでしまう。

 

2、戦略認識における二つの誤り

 

(1)目の前にあるからやる、今流行りだからやる、知っていることだからやる。これは怠け者の思考であり、認識レベルの向上を拒む人の行動である。その結果が、やればやるほど問題が増える、疲れる、不満がたまるというサイクルである。私自身の経験を例にとって説明しよう。

 

一年ほど前、私は会社の経営層とともに過去のことを振り返り、このような疑問を抱いた。Cheetah Mobile(チーターモバイル)は最近いろんな事業に手を出し過ぎではなかろうか。私たちは過去のがむしゃらな成長の間、「迅速に行動する」、「流行りを押さえる」という二点を常に重視してきた。この二点さえできればチャンスがつかめると思っていて、全体的趨勢、または大きな「フレームワーク」の下の戦略による、一貫した事業展開をしてこなかったのである。しかし、現実にはインターネット業界の競争激化は予想していたより速かった。各事業が大きな「フレームワーク」の下で協同していなければ、それぞれが激しい競争にさらされ、成長することは難しい。

 

「怠け者の戦略」と私たちが常々言っているのは、まさにこれである。チャンスを見つけたらとりあえず何でもやってしまう。毎日一生懸命仕事をしているように見えるが、振り返ってみると、雑多な方面に雑多な商品が散らばっており、シナジーも生み出さず、共通する目標もない。

 

(2)商品企画の方法が五年前から変わっておらず、単純にある流行りの機能に焦点を当てて開発すれば業界を覆せると勘違いしている。

「誰々に面白いアイデアがあって、テンセントやアリババ[14]もひっくり返せる。会ってみないか」 こんなメッセージを微博(ウェイボー)[15]でしょっちゅう受け取るが、私はほとんど返信すらしない。なぜなのか。

 

そんなアイデアなど存在するとは思っていないからだ。二十年前ならウェブディレクトリに取り組めばhao123[16]が出来上がったかもしれない。数人でチャットアプリ作成に打ち込めばQQになったかもしれない。Dos3.0に対抗してWPS[17]を開発すれば、あっという間に上場企業になれたかもしれない。なんと素晴らしい時代だったのだろう。

 

しかし、そんな時代はもう過ぎ去ったのである。巷にあふれるアプリの中で、新しいアプリが急速に人気になるという状況はほとんど見なくなった。アプリ市場では、「テール」ではなく「ヘッド」に位置するアプリの勢力がますます強くなっている。そして、「ヘッド」の有力者たちは、一つのアイデアだけを頼りに突き進もうとするヒヨっ子たちへの対応方法をすでにマスターしている。どれほどあなたが優秀でも、彼らは業界のエコシステムやユーザー規模、より優れた開発力であなたを押しつぶしてくる。

 

単純に一つのアイデアを突き詰めれば奇跡を起こせた時代は、もう完全に過ぎ去ってしまったのだ。

 

なぜこのような変化が起こったのか。結局のところ、以前はインターネットが重視されておらず、インターネットに関する技術と認識を備えた人材が限られていたため、そこで何か始めても、他の人はそれを軽視するか、対抗できないかのどちらかであった。

 

しかし今日、「インターネットは宝の山」という認識が知れ渡り、インターネット関連の仕事に従事する人があふれかえっている。これはもうご馳走が目の前に並んでいるようなもので、利益率が非常に高く、皆ができる技術なら、業界トップが参入しないわけがない。

 

では、どうすれば良いのか。業界の趨勢や戦略的思考を駆使し、全ての行動が一つの目標に向かうようにしなければならないのである。楽な戦いはもう存在しない。十分なエネルギーと時間をかけて、業界に対する自分なりの認識の「フレームワーク」を構築する必要がある。まず、雑多でとりとめがなく見える情報の中で、常に思考を深化させて自己の認識の優位性を高める。そして、ひしめく人波の中に隠れたチャンスを見つけ、認知度が上がらないうちに、一気に全力で攻勢をかけるのである。

 

ここで、また初めの問題に戻って来る。すなわち、いったいどのようにすればこのような「フレームワーク」を用いた思考能力を身に付けるけることができるのだろうか。

 

3、過去の「突破口」の例

 

まずは私自身の経験を例にとり、いくつかの「突破口」に至った思考の道筋を振り返ろう。

 

例えば、どのようにして「Clean Master」が生まれたのか。あの頃すでに、私は中国のアプリのレベルはかなり高いと思っていた。技術系の同僚を連れてアメリカまで行き、それなりに有名な人を呼んでアンドロイドについて説明してもらったことがあった。しかし、同僚はその後で、この人はたいしたことないと言ったものだ。そして私も、この同僚は確かに少しうぬぼれているかもしれないが、言っていること自体は正しいと思ったのである。ちなみに、この「有名な人」とはシリコンバレーで60人規模の会社を経営するCTOだったが、私たちが作ったモーショングラフィックスを見せたら、これはすごいと不思議がっていたものである。この時、私は中国とアメリカの間に技術の差はないことを発見した。

 

そこで、私は中国のアプリは世界に挑戦できるだろうかと考え始めた。そして、全体的趨勢に関するある結論に達したのである ―― 中国のアプリはすでに世界トップの水準にあり、世界に挑戦できる基礎を備えている。この結論に至ってから、物事は簡単になった。

 

次の例として、Cheetah Mobile(チーターモバイル)の上場後、何をすべきか考えていた時を挙げよう。当時の私の判断としては、モバイルインターネット業界を覆すようなチャンスは基本的にもう存在せず、Cheetah Mobileが十倍に成長するようなチャンスを見つけるには、未来に目を向けなければならないということだった。そこで、私はシリコンバレーやイスラエル、世界中のスタートアップに会いに行った。中国国内では「傅盛戦隊」や「紫牛基金」を立ち上げ、インターネットという枠だけに収まっていないプロジェクトだけに投資した。若い起業家が何をしているのか、インターネットと異業種の連携がどのように起こるのか知りたかったからだ。

 

この過程で、次第に人工知能とロボットに興味を持つようになった。特にディープラーニングが多くの起業事例の中に見受けられた。ディープラーニングにより、過去は様々であった異業種連携の方法が統一され、しかもその効果に質の飛躍的向上が生まれていたことに、非常な魅力を感じた。

 

一方、ロボットは一つのツールであるという点で、Cheetah Mobileの過去の事業との共通点があった。それがどんな物かはまだ誰も知らない。だからそこにそれを定義する余地が生まれる。ロボットと人の相互作用とはどのようなものか、人側が受ける印象はどうなのか、プロダクトマネージャーとしてそれらを定義していくことに非常に興味を感じたし、それは自分に合っている仕事だと思った。加えて、ディープラーニングによって生まれた画像、音声認識技術の革新とロボット産業を組み合わせた先には、まだあまり注目されていない大きなチャンスが存在していた。

 

このような業界認識さえできてしまえば、行動に移すのは簡単だった。昨年の初めから、私は本腰を入れて人工知能とロボット事業のチームを構築し始めた。業界全体がオーバーヒートし、人材の争奪戦が始まる前に、私たちは強力なグローバルチームを立ち上げ、全力で商品開発に取り組んでいる。近いうちに皆さんにも私たちのAI商品をお目に掛けることができるだろう。少しは業界全体の動きに先んじることができたというわけである。

 

当初、私が全てをかけてロボットを開発すると宣言した時、多くの人がそれは流行に乗じた宣伝に過ぎないと勘違いしたものだった。しかし、実際の諸状況を併せ考えれば、これが十分な時間をかけて真剣に考えた結果だとわかっていただけるだろう。まさに前述したように、それは偶然ではなく、私の思考全体の下にある必然であった。

 

したがって、それだけで独立した事というのは存在しないのである。あなたの頭の中に「フレームワーク」は存在しているか、それはどんな「フレームワーク」なのかが、非常に重要なのである。

 

4、本題に戻って ―― 戦略を立てる方法とは

 

まず、頭の中に大きな「フレームワーク」があることが必須である。「フレームワーク」とはすなわち、その業界に対する深く、詳細な認識である。

 

この業界に存在する真のチャンスとは何か。次の趨勢が向かう先はどこなのか。常に自分に問いかけなければならない。そうして初めて、チャンスをつかむことができるし、ある一つの行動が正しいか否か判断できるのだ。逆にそうしなければ、多くの人材とリソースをつぎ込んでも、爆発的成長を続けることはできない。それが全体的趨勢に沿った行動ではないからであり、そもそも誤った行動であったからである。

 

十分な時間をかけて業界を理解し、競合相手について考え、起こっている現象を観察する必要がある。大量な情報を手に入れた後、推論を繰り返し、判断を行う。

 

当然のことながら、この認識の「フレームワーク」の中に、少なくともいくつかのキーワードは組み込めなければならない。例えば、グローバル化、動画、ブランド、人工知能、平均滞在時間、良好な市場環境の終了などである。業界全体の大きな「フレームワーク」に関する認識判断はゼロから行う必要はなく、注目を浴びている趨勢をまずは信用し、その背後の法則について分析すればよい。

 

次に、「フレームワーク」と「突破口」を組み合わせて考える習慣をつけることである。「フレームワーク」、すなわち業界の風向きをまず捉え、次に他者との差別化を図れる「突破口」を探し出す。この二つのどちらも欠けてはならない。

 

今まで、私たちは「突破口」を過度に重要視していた。多くの人の思考がゲリラ戦のようなレベルに留まっていたのである。良い考えを思いついたらやってみる。ゲリラ戦のように、手がかりを掴んだらとりあえず攻勢をかけるといった具合である。一方、競合相手はどこにいて何をしているのか。この領域の趨勢はどうなっているのか。この「突破口」は業界トップが簡単に真似できてしまうのではないか。このようなことについては基本的に知識もなかったし、知ろうともしなかった。自分のアイデアに一人で興奮し、明日にでも実現したくてたまらなくなっていたにすぎなかった。

 

今日、インターネット関連商品の開発は車の製造に似ている。特定の機能(例えば車の安全性)についての良いアイデアしか持っておらず、資金や工場、産業構造、サプライチェーン、ブランディング、競合相手の戦略、消費行動の変化などの要素について真剣に考えていなければ、BMWやアウディ、ベンツを超えられるであろうか。

 

戦略の立案には、綿密で自らの限界に挑戦するほどの思考が必要となる。真に他者に先んじるチャンスは、長い労働時間で相手をねじ伏せるのではなく、認識を深化させるためにまず自分を極限まで追い詰めることで得られるのだ。

 

競争が白熱化するインターネット業界において、戦略立案の鍵は自己の認識を絶えず深化させ、まだ知られていない「秘密」を見つけることにある。しかも、その「秘密」が生み出すチャンスは十分に大きくなければならず、業界のトッププレイヤーが今位置する場所から十分に離れていなければならない。最も重要な点は、業界に対して、競合相手を上回る、唯一無二の認識を構築できるか否かということにある。この認識の「フレームワーク」に基づき、自らの「突破口」を切り開くのである。

 

簡潔にまとめるなら、十分な思考と真剣な検討の後、明確な目標とそこまでのルートを制定する、これが戦略の全貌である。

 

ただ、一つ補足しておかなければいけないのは、戦略はそのルートの下で企業の総合的能力を高めるためのものであり、それを高められないものは、どれだけ大きな効果を持つ行動であっても本質的にはコストの増加に過ぎないということである。

 

ここから、「世界で一位か二位になれない事業からは撤退する」というジャック・ウェルチの名言の意味もだんだんと理解できるようになった。一位か二位でなければ、長期的な競争力がなく、むしろ無駄なエネルギーを使ってしまうからである。それは総合的能力を高める行動ではないのだ。

 

現在、Cheetah Mobile(チーターモバイル)の新スローガンは「Make The World Smarter」であり、人工知能を中心とした方向に総合的能力を高めることが目標である。Cheetah Mobileのこれからのルートは非常に明確だ ―― 人工知能を核とした各事業の協同と、六億人の月間アクティブユーザー数を礎に、技術と商品の飛躍的革新によって全ての目標を達成する。一方、目標に対し継続的、効果的に寄与しないことは全て意義がないと考える。

 

Cheetah Mobileは人工知能と既存のインターネット関連業務を結び合わせる。絶えず商品の革新に打ち込み、BAT[18]に追いつき追い越すAI商品を実際に開発するのだ。

 

もう一度戦略に戻り、その本質は何か考えてみよう。私は、戦略とはまさに「てこ」のようなものだと思っている。戦略は一つ一つの行動の効果を何倍、何十倍にも拡大する。この「てこ」を離れた起業は取るに足らない小企業しか生み出さない。しかも、それは真の意味の起業に全く及ばないのだ。

 

Cheetah Mobileは今日、再度起業の道を歩むべく、大きな「フレームワーク」の下で新たな「突破口」を探している。それが戦略というものである。

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[1] 奇虎360創業者

[2] バイドゥ創業者

[3] 中国の大手ニュースアグリゲーションプラットフォーム。ニュースを収集・整理するとともに、各ユーザーの好みに合わせて表示する。

[4] 中高年向け健康食品の名称。メラトニンを主成分とし、睡眠改善等の効能を持つ。

[5] テンセントと奇虎360が製品及び訴訟を通じて繰り広げた4年間に渡る争い

[6] 猎豹移動。著者傅盛がCEOを務め、モバイルアプリ開発等の事業を展開する。

[7] 2017年3月執筆当時

[8] 京東集団CEO。ECサイトJD.com(京東商城)を運営する。

[9] 搜狗CEO。検索エンジン搜狗(sogou)を運営する。

[10] テンセントCEO。主要サービスはQQ、WeChat(微信)等。

[11] アンドロイド用オールインクリーナーアプリ。著者傅盛が経営する会社、Cheetah Mobile(チーターモバイル)の主要商品。

[12] ここでは2016年を指す。

[13] マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ(MOBA)型のスマホゲーム。提供はテンセント。

[14] 阿里巴巴集団。Alibaba.com、天猫、淘宝網など、eコマースを中心に幅広いサービスを提供する。

[15] 中国で広く普及しているSNSで、中国版ツイッターとも呼ばれる。

[16] 中国の主要なポータルサイトの一つ。検索エンジン、ウェブディレクトリ等のサービスを提供する。

[17] キングソフト(金山軟件有限公司)が提供するオフィスソフト「WPS Office」

[18] 中国の三大インターネット企業、バイドゥ(Baidu)、アリババ(Alibaba)、テンセント(Tencent)の頭文字。


THANKS TO MY FRIEND TOMITA FOR TRANSLATION FOR DAYS.

心の平和はマイ最高のハピネス

昔読んでたアメリカのコーチJohn Woodenの本「WOODEN ON LEADERSHIP」を紹介させて頂きます。

“Peace of mind which is a direct result of self-satisfaction in knowing you made the effort to become the best of which you are capable.”   –– John Wooden

「成功とは、なりうる最高の自分になるためにベストを尽くしたと自覚し、

満足することによって得られる心の平和のことだ」

やり切れて、その充実感と心の平和は僕にとって最高のハピネスですね。

本の中の名言ダイジェスト:

・Be quick but don’t hurry.
あせらずに速く。
―「あせらずに急げるようになる」ためには能力アップと自信から来る平常心が基本。
その自信は「準備すること」「練習すること」でのみ得られる、と言うメッセージ。

・It’s about what is correct, not who is correct.
誰、ではなく何が正しいか。

・Failing to prepare is preparing to fail
準備を怠ることは失敗の準備をすることである。

・Do not mistake activity for achievement
「行動、活動」を「成果」と解釈するな。

・Happiness begins when selfishness ends
幸せの始まりはエゴの封印から。

・Winning the right way!>
正しい勝ち方と言うものにこだわる。

参考サイト:

http://www.coachwooden.com/

https://www.english-video.net/v/ja/498

 

5月5日、お仕事

本日は四連休の3日目、会社へ仕事しに来ました。

僕は仕事ほど楽しいことがないと思ってます。

我々は「モノの真価に大切に」をコアバリューにしています。

年齢により、人は「モノの真価」に対する認識が違うでしょう

今の僕にとって、何かを創造して、私達の知恵と努力でアパレルサプライチェーン・マネジメント業界

に新しい方法論、ソリューションを作り、アパレル業界を良くして行くのは「今のモノの真価」です。

会社、家族、理解してくれたらいいですね。

しかし、人はこんなに休む必要がありますか。

社会にとって、生産と消費のバランスが必要でしょうから。

個人にとって、休みすぎましたね。

 

 

 

 

 

ブリッツスケール:企業が劇的な成長を遂げる方法とは

ハーバード・ビジネス・レビュー(HBR)の編集者Tim Sullivanが行ったインタビューで、ホフマンはブリッツスケールについて語ってました。私たちはビジネス観点シェアーという趣味で訳しました。お読みになった皆様は他の媒体で公開しないようにお願いいたします。私は中国語バージョンを読んでから社内メンバーにシェアーするために、優秀な友人にやくしていただきたいと頼みに行きました。友人は中国語だけではなく、英語の原文まで見つけて対照しながら訳していただきました。お読みになった方々にヒントになればと思います。


ブリッツスケール:企業が劇的な成長を遂げる方法とは

多くのプラットフォームビジネスは、規模があってこそ価値がある。だから、ブリッツスケール(劇的な成長)が必要なのだ。

訳|戴汨(JOY CAPYTAL共同創業者)

この文章は長すぎるので翻訳するのはやめようかとも思った。しかし、結局二晩もかけて翻訳した理由は単純だ。リード・ホフマンはシリコンバレーの人脈王であり、Paypal(ペイパル)、Facebook(フェイスブック)、Linkedin(リンクトイン)の創立と投資に参与している。創業初期段階での企業の成長に関する彼の見解には学ぶ価値がある。また、Wishの創業者Dannyもこの文章から得るところが大きかったのであろう、強く薦めてきた。

 

ブリッツスケール(劇的な成長)の意義は下記の通りに説明される。多くのプラットフォームビジネスは規模があってこそ価値があり、ユーザーはアプローチしてこそ獲得することができる。よって、ひとたび商品が市場の需要に合致することを確認すれば、何よりもまず事業拡大を図るべきであり、その拡大の過程で課題を解決すべきである。

 

先日、ハーバード・ビジネス・レビュー(HBR)の編集者Tim Sullivanが行ったインタビューで、ホフマンはブリッツスケールにおける挑戦とリスク、リターンについて語った。

 

HBR:まずは基本的な質問から始めましょう。ブリッツスケール(blitzscaling、劇的な成長)とは何ですか?

ホフマン:ブリッツスケールとは、真に急速な成長が必要な時に行うものです。迅速に企業を立ち上げ、巨大市場、多くの場合グローバル市場に商品を提供し、規模という点からパイオニアになることであり、一種の学問や芸術でもあると言えるでしょう。

 

そのような起業活動は大きなインパクトを持っています。この種の会社は未来の多くの仕事や産業を創出するのです。例えば、アマゾンは本質的にeコマースを創造したと言えます。今日、アマゾンは15万人を超える従業員を抱え、出品者や提携先のために数えきれないほどの仕事を作り出しています。また、グーグルは我々の情報の入手方法を根本的に変革しました。グーグルは6万人を超える従業員を抱え、アドワーズとアドセンスの提携先にさらなる仕事を作り出しています。

 

HBR:なぜ急速な成長に重点を置くのですか?

ホフマン:私たちは今、ネットワーク時代を生きています。インターネットだけではありません。グローバル化自体がネットワークの一種の形式なのです。全世界的な輸送、通商、支払い、情報の流れのネットワークが構築されています。そのような環境においては、より迅速に動かなければなりません。地球上のいかなる場所における競争も、あなたを打ち負かす可能性があるからです。

 

ソフトウェアはどの大きさの市場においても限界費用が事実上ゼロですから、ブリッツスケールとは自然と密接な関係を持っています。ソフトウェアが全ての業界で不可欠なものとなるにつれて、物事はさらに速く動くようになるでしょう。AIの機械学習も加わり、変化はますます速く繰り返されます。したがって、私たちは今後さらに多くのブリッツスケールを目にすることでしょう。それも、少し多く、ではなく、ものすごく多くのです。

 

HBR:なぜこの「ブリッツスケール(blitzscaling)」という言葉を用いることにしたのですか?この言葉からは興味深い連想をさせられますね。

ホフマン:「biltzkrieg(電撃戦)」という言葉と第二次世界大戦との関連性から、ためらいは確かにありました。しかし、「biltzkrieg(電撃戦)」という言葉が持つ意味が私の表したい意味と非常に近く、わかりやすいと思ったのです。電撃戦が軍事戦略として使われるようになる以前は、軍隊は補給線を超える地点まで進出することはなく、それが軍隊のスピードに限界をもたらしていました。

 

電撃戦の理論とは、物資を最低限必要なものに絞ることにより、非常に迅速な進撃が可能となり、敵の不意を突いて勝利を得られるというものでした。引き返せるのは目的地への中間地点まで。そこを超えるという決断は、一か八かの大博打です。結果は大勝か惨敗のどちらかしかありません。

 

ブリッツスケールもこれと似た考え方が基になっています。あるスタートアップが劇的なスピードの成長が必要だと判断した時、通常の合理的なスピードで拡大する会社より、ずっと大きなリスクを負うことになるからです。

 

このようなスピードは、攻守どちらの意味でも必要です。攻めの観点からいえば、あなたのビジネスは一定程度の規模を持って初めて価値のあるものかもしれません。Linkedin(リンクトイン)は数百万人のユーザーが加入したからこそ価値が生まれました。eBay(イーベイ)のようなネットオークションは売り手、買い手の双方が一定数いないと成り立ちません。Paypal(ペイパル)のような決済サービス、アマゾンのようなeコマースビジネスは利益率が低いため、非常に大きな規模が必要です。

 

守りの観点からも、競合より速い拡大が望まれます。先に接触した者がそのユーザーを獲得する可能性が高く、規模のメリットは一人勝ちの状況を導くことがあるからです。しかも、グローバル化が進む環境では、真の競合が誰なのか必ずしも気づけるとは限りません。

 

HBR:規模という概念には複数の次元がありますか?

ホフマン:3つの異なる次元があります。一般に注目されるのは、その内の2つである売上の拡大とユーザー数の拡大です。もちろん、この2つを攻略できなければ、他のことは問題にもなりません。しかし、組織の拡大無しにこれらの領域を拡大できるビジネスはほとんどありません。組織の規模と執行能力がユーザーと売上の獲得の鍵となるのです。

 

規模はその大小によって、一連の段階として考えることができます。従業員数が一の位までのビジネスは「家族」規模、十の位までは「集落」規模、百の位までは「村」規模、千の位までは「都市」規模、万の位までは「国家」規模といった具合です。もっともこれらはだいたいの数で、正確な基準を表しているのではありません。15人程度の従業員を持つ「家族」企業、150人程度の「集落」企業などはよく見られます。各段階において、資金調達、従業員の採用と研修、商品のマーケティングなどの企業の各機能の運営の仕方は大きく変化します。

 

ブリッツスケールを実行している時、これらを運営するために使える「ルール」はありません。「発見的問題解決」、すなわち意思決定の助けとなる指針をその場で発見し、学ぶことが必要なのです。組織の規模とは実際の従業員の数というより、企業の特徴によって決定されます――従業員が150人を超えたところで物事が劇的に変わるということはありませんから。また、企業の各機能の拡大を同じ時期、同じ速さで実行しているとも限りません。初めの段階では、他の機能に比べ、カスタマーサービスと売上の拡大に力を入れることが多いでしょう。ただ、そうとはいえ、その他の機能のブリッツスケールも結局は必要となります。

 

したがって、企業を終始、全体としてとらえることが非常に大切なのです。人材をいかに配置し、育てるのか。企業文化をいかに保つのか。コミュニケーションはどのように行い、競争環境はどのように変化するのか。問いかけなければなりません。

 

HBR:スタートアップはいつブリッツスケールを開始するのでしょうか?

ホフマン:「家族」規模の企業は一般に資金調達と商品・サービスを明確化する段階にあります。まだ商品を発売していない可能性も大いにあるでしょう。

 

「集落」規模が、真の意味での企業が始まる段階です。この段階でブリッツスケールを開始するのは非常に珍しいといえるでしょう――聞いたことが全くないわけではありませんが。Paypal(ペイパル)やInstagram(インスタグラム)のような爆発的な人気をもつ商品がない限り、この段階でブリッツスケールを開始することはありません。

 

より典型的な状況としては、すでに何らかのバージョンの製品・サービスの販売を開始し、ターゲット市場も確定しているが、そのスタートアップが本当に大規模に拡大することができるかまだ確信が持てないということが多いでしょう。どんな時でも、一定程度のリスクは存在するからです。商品が市場の需要に合致しているかどうか確信がないため、この段階では拡大しないという判断がなされるかもしれません。あるいは、前述のような攻守双方の理由から必ず拡大が必要だと確信しているので、とにかく前進することを決断することもあるでしょう。

 

したがって、ブリッツスケールというプロセスは、一般に「集落」と「村」の間の段階で開始されます。その時点までに、商品が市場の需要に合致していることを確実にし、ある程度のデータを入手し、競争環境の理解が進みます。そこが、ブリッツスケールのロジックが明確に立ち現れてくる時なのです。

 

ひとたびあなたが――自己及び他者に――興味深いカテゴリーと大きな市場機会がそこに存在することを証明し始めると、ありとあらゆる競争を呼びこみます。下からは、他のスタートアップが類似した製品又はサービスを発売し、あなたより先に市場で規模を確保しようと突き上げてきます。上からは、すでに成熟した企業が自らの強みを利用し、あなたの一部又は全部の市場を奪おうとしてくるでしょう。

 

一番にブリッツスケールを開始するスタートアップには二つの強みがあります。集中と速度です。成熟した企業はそれほど速く動かず、また、集中されていない傾向があります。一方、競合するスタートアップはおそらくまだ勢いをつけきれていないでしょう。(もっとも、彼らはあなたと同じぐらい速く、集中しているかもしれませんが。)この典型的な例であるGroupon(グルーポン)は、発展の途中で上下双方からの凄まじい競争に遭遇しました。そして、迅速な拡大と耐久力のある商品の構築の両方を同時に行うことができなかったため、根本から業界を覆す潜在的機会を失ったのです。

 

HBR:ブリッツスケールの過程で、どのような組織に関する課題に直面しますか?

ホフマン:ブリッツスケールは常にマネジメントという観点からは非効率です。しかも、多くの資金を高速に消費してしまいます。しかし、規模拡大のためにはこれらの非効率さを進んで受け入れなければなりません。これは大規模な組織における最適化とは正反対の行動です。

 

例えば採用活動では、従業員の質と企業文化を保ちながら、できるだけ速くできるだけ多くの人材を集める必要があるでしょう。そのためにはどうすれば良いのでしょうか。各企業により切り口は異なります。Uber(ウーバー)のブリッツスケールの過程では、採用されたエンジニアにマネージャーはこのように尋ねたものでした。「以前に一緒に仕事をしたエンジニアの中で最も優秀な三人を教えてください。」そして、それらのエンジニアに採用通知を送るのです。面会も、経歴照会もありません。採用通知だけなのです。彼らはエンジニア部門を急速に拡大しなければならず、これが彼らの使用した鍵となる手法でした。

 

私たちもPaypal(ペイパル)の拡大の過程でこの課題に直面しました。2000年の初め、決済取引量は日々2~5%の割合で増加しており、そのような成長が、カスタマーサービスという点でPaypalを危機に陥れたのです。パロアルト市(カリフォルニア州)の電話帳にしか連絡先を載せていなかったにもかかわらず、怒ったユーザーたちは代表番号を探し当て、ランダムに内線に電話をかけてきました。一日24時間、文字通りどの電話を取っても怒ったユーザーたちと繋がるという状況です。そこで、私たちは電話のベルを切ってしまい、携帯電話を使い始めました。しかし、それでは問題は解決しません。カスタマーサービス能力を早急に築き上げなければならないことはわかっていました。しかし、シリコンバレーでは難しかったので、オマハ市(ネブラスカ州)での拡大を決めました。これはちょうど第一次ITバブルの頃でした。

 

私たちはネブラスカ州知事を説得し、インターネット革命の一端を担う意義を納得させました。彼とオマハ市長が記者会見を開き、Paypalがカスタマーサービスオフィスをオープンすることを発表したところ、洪水のように志願者が押し寄せたので、4週間連続で、週末に会社全体の約20%の人が飛び回り、面接に当たりました。履歴書を持ってやって来た応募者に集団面接を行い、6週間で私たちは100名のカスタマーサービス担当がメールを処理する体制を整えました。メールとWEBベースのカスタマーサービスのみを提供することは、今ではインターネット企業がとる典型的手法と言えます。しかし、当時、私たちはカスタマーサービスにおける困難を乗り切る方法を非常に迅速に見つけ出さなければなりませんでした。何をすべきか教えてくれる手引書などありませんでした。そして、今もないのです。

 

HBR:「ルール」がないのなら、どうやって方法を見つけ出せばよいのですか?

ホフマン:通常の「ルール」に縛られないことが、逆に強みとなることがあります。例えば、Paypal(ペイパル)初期に発生したクレジットカード詐欺と返金がどれほど深刻な問題であるかを事前に理解していたなら、私たちもこのようなサービスが成功するとは考えなかったかもしれません。驚愕するほどの損失を生むとは認識していなかったのです。「何よりもまず、詐欺を防がなければならない」――銀行員なら誰でも知っているルールです。これが、あらゆるPaypalと類似したサービスに銀行員が手を出さなかった理由でした。私たちの無知こそが迅速な事業形成を可能としたのです。もちろん、後で走りながらの問題解決をする羽目になりました。私たちはすでに地雷区域にいたからです。

 

私たちが2000年に多くの損失を出した時、新規ユーザー紹介奨励金のせいだという批評が多くなされました。しかし、実際はそうではないのです。この業界の広告による平均的顧客獲得コストは一人あたり40ドルでした。よって、友達を紹介した人と、紹介された人に10ドルずつプレゼントしたことにより、コストを半減させたのです。

 

なぜ「ルール」に頼るのではなく、「発見的問題解決」をしなくてはならないのでしょうか?それは、従来の知恵に従って行動する競合相手たちから抜きん出るための強みが必要だからです。「ルール」が全くないと言っているのではありません。「自分のお金を盗まれないようにしろ」――これは「ルール」です。但し、強みを生み出すものでは決してありません。

 

HBR:その「発見的問題解決」という方法は完全に異なる組織形態を生み出すように聞こえます。

ホフマン:そうなのです。ともにブリッツスケールにより発展した企業であるグーグルとマイクロソフトの大きな違いの一つは、グーグルはフラットな組織であろうとしたのに対し、マイクロソフトはヒエラルキー型組織を構築したことです。グーグルでは、一人のマネージャーが少なくとも8人の直属の部下を持たなければならないことになっていましたが、その上限はありませんでした。中間管理コストを最小化するためには、10人、15人、20人、さらには100人もの直属の部下を持つことさえありました。一般には、8人以上の直属の部下を持たせない方が、マネジメントが効率化すると言われています。しかし、グーグルはテクノロジーの開発に極度の集中を図るため、フラットな組織を選択し、そのような効率性は犠牲としたのです。一方、マイクロソフトはより伝統的なヒエラルキー型のアプローチを選択しました。

 

HBR:そういえば、グーグルはエリート大学のGPAが非常に高い人しか採用しないと聞きました。「発見的問題解決」として、これには多くの優秀な人材を採用する機会を失うという明らかな副作用がありますが、優秀なジェネラリストを大量かつ迅速に採用するという目的からは理に適っているということなのですね。

ホフマン:それは多くの落胆のもとにもなりました。「私の友達は条件を満たさないから採用されない。本当に良い人材だとわかっているのに。」これに対し、グーグルはこう答えます。「申し訳ないが、それが我々のブリッツスケールにおけるやり方だ。本当に重要なことに注力するために、シンプルな『発見的問題解決』の手法が必要なのだ」と。また、エリート大学からしか採用しないという方法には、拡大の過程でもブレない企業文化を形成・維持しやすくするという利点もありました。

 

HBR:なぜ企業文化はブリッツスケールにとってそれほど重要なのですか?

ホフマン:組織が非常な速度で拡大しているため、ヒエラルキーに基づいた垂直的・トップダウン方向だけでなく、水平的・各個人間レベルでも、各社員が互いに責任を負うようにしなければならないからです。

 

HBR:「村」から「都市」規模に移行する際、他にどのような「発見的問題解決」が重要ですか?

ホフマン:各レベルの専門化がいっそう重要となってきます。例えば、大規模なエンジニアリング部門はどのように運営すればよいのか、市場で高額の資金をどのように運用すればよいのか、といったことを理解しなければなりません。そのために、さらには顧客と市場を理解するためにも、計器盤や分析手法、指標が必要になります。

 

また、より高い確実性も必要です。「村」段階のブリッツスケールでは許容されていた非効率が規模拡大後は容認できなくなることがあるからです。例えば、サイトのダウンを確実に防ぐことのできる人を雇わなくてはなりません。製品のリリースにもさらに慎重にならなければなりません。その結果として、順応性が縮小します。Facebook(フェイスブック)が「スピードと変革」から「安定とスピード」にモットーを変更したのが有名な例です。

 

さらに、集中特化型組織から複合型への転換を行い、企業のリソースを2つ以上の事に同時に注ぐようになります。「集落」規模では、全ての人が一つの優先事項に集中していました。「村」規模では、拡大を行いたい事項への注力を始めていますが、同時に、その他の試み――ソフト開発者のためのツール開発、テストマーケティング、有料広告など――を検討し始めます。さらには、企業買収チームなどの新たな機能を付加するかもしれません。これら全てが企業として成功するという大きな目標のためなのですが、「村」から「都市」へ移行するにつれて、機能間の差別化が進みます。これが複合型への転換なのです。

 

「都市」規模の企業は通常、二つ以上の主要商品を持っています。グーグルにおけるアドワーズ、マイクロソフトのオフィスなど、主となる収入源が一つあるかもしれませんが、同時に複数の異なる商品も抱えており、各商品どうしの関係が明確化されています。また、各々の商品自体が複合的である可能性もあるでしょう。

 

多くのシリコンバレー企業は「村」から「都市」規模に移行する頃にグローバル化を進めますが、一日目からグローバル化しているケースもあります。Linkedin(リンクトイン)のリリース日、私たちはすでに15の国家をプルダウンリストに入れていました。そして2日目には、リスト上にない国家の人からメールを受け取りました。それは興味深い地理の授業を受けているようでした。苦情を受けるまで、フェロー諸島が一つの国家であることを知りませんでしたから。そこで、私はちょっと歴史を勉強してから、フェロー諸島もリストに加えました。(注:フェロー諸島はデンマーク自治領であり、デンマーク本土、グリーンランドと共にデンマーク王国を構成する。)

 

HBR:一企業内の異なる部署が異なる手法を用いることがありますか?

ホフマン:はい。例えば、グーグルはAndroid(アンドロイド)とChrome(クローム)の二つのOSを同時期に開発しました。グーグルがアンディ・ルービンとそのスタートアップ、Android Inc.を買収した時、アンディはラリー・ペイジ直属で、企業内起業家としてAndroidという試みに集中しました。グーグルの立場からすれば、アンディがプロジェクトを成功させるために必要なものを与えたということでした。

 

アンディはAndroidが一貫性と集中を保つことを望みました。例えば、Android担当の社員証だけがAndroidのオフィスへのアクセス権を持ち、一般のグーグル社員は入ることができませんでした。Androidチームが開発したソフトウェアはグーグルで定められているコードレビューを行わなくてよいとされていました。また、アンディは会社の確認なしに、携帯電話事業者と別個の取引ができることを望み、プロジェクトを成功させるためなら代償も厭いませんでした。

 

全く異なる構想の下で、Chrome(クローム)はC++を用いて開発され(AndroidはJavaを用いて開発された)、スマートフォンではなく、ノートパソコンとブラウザに特化していました。グーグルはAndroid とChromeを一つのプロジェクトとし、OSという商機に、より一貫性をもって取り組むという、異なる方法を取ることもできました。しかし、グーグルは代わりに複合型アプローチを選択しました。そのプロジェクトに最もふさわしい人を起用し、その人に仕事を完成させるために必要なものを与えることで、完全に独立したプロジェクトを運営させ、独自の手法を発展させたのです。

HBR:以前、このような問いを投げかけていらっしゃるのを耳にしました。「無視できる問題は何か?言い換えれば、各段階で何が解決すべき最も重要な問題なのか?」

ホフマン:スタートアップについて説明するために私がよく使う比喩の一つに、「崖から飛び降りて、落ちながら飛行機を組み立てている」というものがあります。正しい問題を正しいタイミングで解決しなければ、ゲームオーバーです。死への危機意識が優先事項に鋭い焦点を当てさせるのです。

 

ブリッツスケールの途上では、不可避的にものすごい量のトラブルが起こるので、それらを一度に解決することはできません。優先順位づけが必要なのです。より多くの投資を呼び込むため、投資家が関心をもつ問題は解決しなければなりません。資本の支持は、地面に着くまでの問題解決に使える時間が長くなるということを意味します。最初に得た資本だけで、また、二回目の資本を得たとしても、それだけで飛行機を飛ばすことは難しいでしょう。マネジメントの一般的原則に、「チームの運営上に問題がある場合は、即座に解決すべきだ」というものがあります。しかし、ブリッツスケールの最中ではこのような問題は常に発生するものなのです。しかも、非常に速い速度で動いているので、今日の問題と明日の問題は異なります。仕事は常に継ぎはぎだらけで醜く、ダクトテープで張り合わされているような状態です。したがって、チームの機能不全といった問題はしばらく無視するかもしれません。

例えば、エンジニアたちが不満を持っているとしましょう。あなたはこういったことを考えます。「開発ツールを作って、彼らが効率良く仕事ができるようにするべきだろうか?そのために、多くのエンジニアを動員するべきだろうか?」しかし、あなたはチームの大きさが急速に変化し続けていること、つまり、今作ったどんなツールも無用の長物となってしまうことを知っています。よって、この問題を無視することが組織内に不満を生み、人々にストレスがたまることがわかっていても、まだその解決は試みません。ブリッツスケールではない状況では、このような問題は第一優先事項となるかもしれませんが、ブリッツスケールの最中では、それらをただ放置しておくより他ないのです。また、たとえ実際にその問題を解決したとしても、ほんの短期間でまた問題が起こるのだということを、肝に銘じておかねばなりません。

HBR:その種の決断をする際、理由を伝えて人々の不満を緩和することができますか?

ホフマン:はい。但し、ある程度までです。本当に皆を団結させるものは、自分たちは何か偉大な物を創造するために高速で前進しているのであり、自分もその成功の一部になるのだという認識なのです。

私が近くで目にする機会のあったほぼすべてのブリッツスケールを行う企業は、社内に多くの不満を抱えています。役割と責任の不明確さや、業務フィールドの分かりづらさに対する不満などです。「ああ!もうカオスだ、むちゃくちゃだ!」 そのような企業――Paypal(ペイパル)、グーグル、eBay(イーベイ)、Facebook(フェイスブック)、Linkedin(リンクトイン)、Twitter(ツイッター)のどれであれ――をまとめ上げているのは、今起こっていることへの興奮と、素晴らしい未来が待ち受けているという見通しです。

自分は何かすごいことをしているチームの一員だから、個人的な不満は乗り越えよう。もっとわかりやすいフィールドでもっと効率良く仕事がしたいし、組織ももっとスムーズに回って欲しい。でも、とりあえずそれは我慢しよう、この苦労の見返りはきっと来るのだから。

あの頃:鍵さえかければ、言葉はいらなかった

あの頃

子どもの頃を思い起こせば

みんな実直であったものだ

一言、一言に心がこもっていた

 

早朝の駅から眺めれば

通りは真っ暗で人気がなく

干物の焼ける匂いが漂っていた

 

あの頃は時の流れが遅かった

人の流れも、郵便も

一生に愛せるのはたった一人だけだった

 

あの頃は錠前も美しかった

鍵には綺麗な細工が施され

鍵さえかければ、言葉はいらなかった

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日本人友人訳して頂いた現代詩です。

以下は原文と訳文の対照になります。

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《从前慢》 作者 木心

记得早先少年时
(子どもの頃を思い起こせば)
大家诚诚恳恳
(みんな実直であったものだ)
说一句 是一句
(一言、一言に心がこもっていた)

清早上火车站
(早朝の駅から眺めれば)
长街黑暗无行人
(通りは真っ暗で人気がなく)
卖豆浆的小店冒着热气
(干物の焼ける匂いが漂っていた)

从前的日色变得慢
(あの頃は時の流れが遅かった)
车,马,邮件都慢
(人の流れも、郵便も)
一生只够爱一个人
(一生に愛せるのはたった一人だけだった)

从前的锁也好看
(あの頃は錠前も美しかった)
钥匙精美有样子
(鍵には綺麗な細工が施され)
你锁了 人家都懂了
(鍵さえかければ、言葉はいらなかった)